評価される場に出るのが怖い!クリエイターあるあるがツラ過ぎる漫画

「ネムルバカ」

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

 

 石黒正数先生の作品。「それでも町は廻っている」「外天楼」などの作品も出しています。

 大学の女子寮で同室の<先輩>鯨井ルカ&<後輩>入巣柚実。バンド活動に打ち込む先輩は、いつも金欠ピーピー状態。

これといって打ち込むもののない後輩はバイトの日々…。ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする<大学生>という不思議な時間――。

ぐるぐる廻る青春のアレやコレやを描いた大学生日常ストーリー!

バンド活動に打ち込む先輩(金髪の方)の発言が本当にグッとくるんですよ。

「自称ア〜チスト 」について

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「自称ア〜チストが何人か集まってそいつら同士で、『見る』→『ホメる』『作る』『ホメられる』を繰り返しているんだ

「それはそれで自己顕示欲を満たすための完成された空間なんだよ」

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「で、自称ア〜チストってのは常々やっていた楽しいと思える程度の練習はするが、本当に身になるツライ修行はツライからせず……」

「一方的に発表できる個展はするが、正式の裁きを受けるコンペやコンクールは身の程知るのが怖いから出ず、馴れ合いの中で自分が才能あるア〜チストだと錯覚していく。

「輪の中にいると気づかないんだ」

やりたいことについて

主人公入巣は明確なやりたいことが特にない人間。先輩の鯨井はバンドでメジャデビューというはっきりとした目標がある。

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この二人は、お互いのこのズレをまるで宇宙人であるかのように感じてしまいます。

 

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「やりたいことのある人と、やりたいことがない人の間に、何かしたいけど何ができるのかわからない人ってカテゴリーがあって、8割方そこに属していると思うんだがね」

「描かない漫画家」

描かないマンガ家 1 (ジェッツコミックス)

描かないマンガ家 1 (ジェッツコミックス)

 

 えりちん先生の作品。主人公が漫画家志望のくせに全く漫画を描いたことがなく、他人を批判して足を引っ張ろうとします。しかし、時にその発言が周囲の人に勇気を与えたり、急にそのせいでモテだしたり。

「みたむらくん」もそうですが、えりちん先生は「クズに見える人間」を魅力的に描くのが上手いです。

漫画を描かない理由

とにかく前半は主人公の「やらない言い訳」が怒涛のごとくあふれ出てきます。

ここまで典型的な人間は稀ですが、共感したりドキリとする発言も多いはず。

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「あ〜こんなんが入選すんなら、今回見送らずに投稿しとけば良かったかな〜」

→結局、描かない

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「将来売れっ子になったらマニアに過去の作品発掘されんじゃん?」

「課題とはいえいかにドラマチックに描くかが俺たちクリエイターの使命だろ!」

→結局、描かない

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「たかが8Pとはいえ、気楽になんて描けねえぇわ〜オレ。プライドが許さないんだよねー!」

→結局、描かない

時折、名言を語り出す

「ほんと、なんなんだよコイツ!」と思いながら読んでいると、2巻あたりからカッコイイ名言が出てくることも。

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(しかし相変わらず漫画は描いていない)

「いいよね!米澤先生!」

いいよね!米澤先生【期間限定無料】 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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地獄のミサワ先生の作品。ギャグマンガです。

高校の漫画部が舞台。

そこに所属している女子生徒が、さも雑誌で賞を取ったことがあるような言動を繰り返し、偉そうに周りを日妙するものの、全く手を動しません。

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そして主人公の米澤がそれを徹底的に追求してイジりまくるというクソっぷり。

 

ただ読んでいて辛過ぎるといった感じではなく、最後はギャグに収束するので安心して見ていられます。

作品を発表し続けることでしか道は開けない

これらのの漫画は結局、同じことを言っています。

・とりあえず作品を完成させること

・評価される場に出向くこと

たったこれだけ。このサイクルが早ければ早いほど、成功へ近づいていく。

いわゆる「打席に立った回数が多ければいつかヒットは打てる」という話です。

「ここは負けない」というものを一つ見つけてみる

「良い作品を作る」というのは抽象的なものです。

絶対的な評価はなく、人によって好みが分かれることでもあります。自分の作品に対し、「これって本当に面白いの?」と不安になることもあるでしょう。

だからこそ自分が絶対に負けない(負けたくない)強みを持っておくのが大事。

・女の子の可愛い顔なら誰よりも上手く描ける

・セリフの言い回しなら任せてくれ

・ゾッとする怪物の絵なら自信がある

などなど。

漫画を例にしてあげてみましたが、自分が根本的にその創作活動を始めたきっかけがニアリーイコールで「強み」になるのかなと思います。

 

「強み」をベースで考えると視界が明確になります。

自分よりもさらに秀でている人を追い抜こうと思えますし、どう自分を世間にアピールしていけば良いのかを見極めやすい。

・その強みを最も活かせる物語はなにか?

・ジャンルは何が相性良さそう?逆に自分の強みを生かせば目立つようなジャンルは?

・SNSがベストなのか?出版社に持ち込みなのか?

・一枚絵で魅せるのか、4コマか?短編集か?

と考えると、全く新しいやり方に行き着くこともあるでしょう。

 

別に週刊誌に持ち込む必要なくネットから人気が取れるんじゃない?

漫画じゃなくて演劇の方が生きるんじゃないか?

苦手なところはいっそのこと捨ててしまおうか?

などなど。

 

参考にしてみてください! 

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

 

 

描かないマンガ家 1 (ジェッツコミックス)

描かないマンガ家 1 (ジェッツコミックス)

 

 

 

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